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AI税理士は仕事を奪う?92.5%の真実と生存戦略
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株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

「AIが税理士の仕事の92.5%を奪う」という数字を見て、不安になったことはないでしょうか。この数字は税理士を目指す方や現役の税理士、顧問税理士を探す経営者の間で、たびたび話題になってきました。しかし、この数字が本当は何を意味しているのか、正確に理解している方は少ないかもしれません。本記事では、92.5%という数字の出どころとその正しい読み方から、エストニアの事例、AIが得意な業務と苦手な業務の切り分け、現場での具体的な活用事例、税理士試験を使った実力検証、導入率やセキュリティ上の注意点まで、幅広く整理します。読み終える頃には、AI時代に税理士としてどう動けばよいか、具体的な方向性が見えてくるはずです。
「税理士はAIに奪われる」と言われる理由と92.5%の数字の真実
「AIが税理士の仕事を92.5%奪う」という話を、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。この数字はインパクトが大きく、税理士を目指す学生や現役の税理士、顧問税理士を探している経営者の間で、不安や疑問の種になっています。まずはこの数字がどこから来たものなのか、正確に確認していきましょう。
発端は2015年のNRI×オックスフォード大学の共同研究
92.5%という数字の出所は、2015年12月に野村総合研究所(NRI)が発表した研究結果です。NRIは、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、国内601種類の職業について人工知能・ロボット等での代替確率を試算しました。その結果、10〜20年後には日本の労働人口の約49%が就いている職業が技術的に代替可能であると推計されています。
このNRIの研究は、もともとフレイ=オズボーン氏らが2013年に発表した論文をベースにしています。この論文は米国の702職種を対象に自動化リスクを分析したもので、米国の仕事の47%が自動化される可能性があると結論づけました。NRIはこの分析手法を日本の職業構造に応用し、日本版の代替可能性を算出したのです。
そして2017年9月25日付の日本経済新聞朝刊が、このNRIの研究を出所として士業ごとの代替可能性を報じました。そこで示された数字が、税理士92.5%、行政書士93.1%、弁理士92.1%、公認会計士85.9%、司法書士78.0%、弁護士1.4%という結果です。税理士の92.5%という数字は、まさにこの報道を通じて広く知られるようになりました。
「92.5%」は職業消滅率ではない
ここで注意したいのは、この92.5%という数値が意味するものです。この数字は「税理士という職業が10〜20年後に92.5%の確率で消滅する」ということを示しているわけではありません。あくまで、税理士が担っている業務のうち、技術的に自動化できる割合がどの程度あるかを試算した数字です。
税理士の仕事には、記帳や帳簿作成のような定型的な作業もあれば、経営者への助言や税務調査への対応のように、経験や判断力が求められる業務もあります。前者はAIやシステムによる代替がしやすい一方、後者は簡単には置き換えられません。「業務の何割が技術的に自動化できるか」と「その職業自体が世の中から消えるかどうか」は、まったく別の話であるという点は、正しく理解しておく必要があります。
つまり92.5%という数字は、税理士に不要になる仕事が多く含まれていることを示唆すると同時に、税理士という職業そのものの存続とは直結しない数字だということです。この前提を踏まえたうえで、次にAI先進国とされるエストニアの実態を見ていきましょう。
AI先進国エストニアに見る「税理士がいなくなった国」の実態
「税理士がいなくなった国」として、しばしば引用されるのがバルト三国の一つ、エストニアです。電子政府の先進国として知られるこの国では、税務手続きの多くがオンライン上で完結し、専門家に依頼せずとも個人や企業が自分で申告・納税を済ませられる仕組みが整っています。
この背景には、大きく2つの要因があります。
- 電子申告・納税の完全オンライン化:申告から納税までのプロセスが電子上で完結する仕組みが整っており、書類のやり取りや窓口対応といった手間が発生しません。
- シンプルな課税制度:専門知識がなくても税額を計算できるよう、税制そのものが複雑になり過ぎないよう設計されています。
こうした環境が整っているため、手続きを税理士に依頼する必要性そのものが薄れていったというのが、エストニアで語られる実情です(マネーフォワード)。
さらに徴税の現場でも、税務署が企業のデータをリアルタイムに把握しており、異常な値が検出されればすぐにアラートが出る仕組みが構築されています。そのため税務調査も、必要最低限の訪問だけで完結する形式へと変化しているといいます(税理士.ch)。
ただし、ここで注意したいのは「税理士という職業自体が消滅した」わけではない点です。実際にエストニアにも会計法人は存在しており、AIでは代替できない業務や、より高度な経営コンサルティングを提供する役割へとシフトしています。単純作業や定型業務はAIが自動化し、人間は付加価値の高い業務に注力する「AIとの分業体制」が進んでいる、という構図です(マネーフォワード)。
では、同じ変化が日本でも起きるのでしょうか。これはエストニアの制度そのものが持つ「シンプルさ」に支えられている点を踏まえて考える必要があります。日本の税制は、法人税・所得税・消費税それぞれに多数の特例や控除、業種ごとの取り扱いの違いが存在し、エストニアのような単純な計算構造とは事情が異なります。制度の複雑さが残る限り、電子化が進んでも「専門家による判断」が不要になるとは考えにくいというのが、日本の実務を見るうえでの出発点になります。この日本特有の業務構造については、次の章で具体的に掘り下げていきます。
AIが得意な税理士業務・苦手な税理士業務の切り分け
エストニアの事例からもわかるように、AIによって代替が進むのは「税理士業務のすべて」ではなく、その一部です。ここでは、AIが得意な分野と苦手な分野を具体的に切り分けていきます。
AIが得意な業務:定型化できる作業
AIが最も力を発揮するのは、ルールが明確で繰り返し発生する定型業務です。代表的なのが、記帳・仕訳・データ入力の分野です。
- 領収書のOCR読み取り:AIによるOCR技術を用いて、領収書の文字や数字を認識しデータ化する機能は、すでに多くの会計ソフトやアプリに取り入れられています。この仕組みによって、手入力によるミスのリスクも軽減されています。
- スキャンデータの自動変換:領収書のスキャンデータをAIで読み取り、ExcelやCSV形式に自動変換する仕組みも実用化が進んでいます。手作業で数字を打ち込む時間を大幅に減らせるのが強みです。
- 仕訳の自動振り分け:過去のパターンを学習し、取引内容から仕訳区分を推測する処理も、AIが得意とする典型的な作業です。
つまり、「読み取る・分類する・変換する」といった、正解が一つに定まりやすい作業ほど、AIによる自動化の恩恵を受けやすいといえます。こうした業務は人間が手を動かす必要性が薄れていく一方で、税理士がより上流の判断業務に時間を使えるようになるというメリットにもつながります。
AIが苦手な業務:判断と対話が求められる業務
一方で、AIが苦手とするのは「正解が一つではない」領域です。特に次のような業務は、人間の税理士に強く求められ続けると考えられます。
- 経営コンサルティング:企業の状況や経営者の意向、業界特性を踏まえた上での資金調達や事業承継のアドバイスは、数値だけでなく人間関係や経営者の心理を読み取る力が求められます。
- 税務調査対応:調査官との折衝や、事実関係の説明、グレーゾーンの判断が絡む場面では、経験に基づく交渉力や説明力が欠かせません。
- 制度趣旨を踏まえた総合判断:条文の暗記だけでは対応できない、複数の制度が絡み合うケースの判断も、人間の総合的な理解力が問われる部分です。
このように整理すると、AIが得意なのは「作業」であり、AIが苦手なのは「判断」と「対話」であるという構図が見えてきます。税理士業務の中でも、記帳や書類作成といった作業部分はAIに置き換わりやすい一方、経営者との対話や交渉、複雑な状況判断が絡む部分は、当面は人間の税理士が担う領域として残り続けると考えられます。
現場の税理士がAIを実際にどう使っているか(活用事例・ツール)
前章では、AIが得意な業務と苦手な業務の切り分けを見てきました。では実際の現場では、税理士やスタッフはどのようなツールをどう組み合わせて使っているのでしょうか。ここでは具体的な事例をもとに、AI活用の「How」を見ていきます。
複数のAIツールを組み合わせて使うのが主流に
税理士法人ハンズの事例(2025年11月時点)では、単一のAIツールに依存するのではなく、目的に応じて複数のツールを組み合わせて実務に組み込んでいる点が特徴的です。具体的には以下のようなツールが併用されています。
- Claude・ChatGPT:文章作成や税務相談の下書き、条文・通達の整理
- Notion AI:ナレッジ管理や議事録の要約
- Google Workspace(Gemini統合):メール対応や資料作成の効率化
- AI-OCR:紙の書類のデータ化
- Genspark・Manus:複数タスクの自動処理
- イルシル・Gamma:提案資料やスライドの自動生成
- Grok:情報収集の補助
このように10種類前後のツールを場面ごとに使い分けるスタイルは、「1つのAIに何でもやらせる」のではなく「業務工程ごとに最適なツールを当てる」という考え方に基づいています。税理士業務は記帳・申告・相談・資料作成など工程が多岐にわたるため、ツールの組み合わせ方自体がノウハウになってきているといえます。
記帳・仕訳業務でのAI-OCR活用
現場で最も広く定着しているのが、AI-OCRによる記帳業務の効率化です。領収書やレシートの文字・数字をAIが読み取ってデータ化する機能は、すでに多くの会計ソフトやアプリに標準搭載されており、手入力によるミスのリスクを軽減しながら処理速度を高める役割を担っています。
具体的には、領収書をスキャンした画像データをAIが読み取り、Excelやcsv形式に自動変換する仕組みが実務で使われています。これにより、これまで人の手でひとつひとつ入力していた作業が大幅に簡略化され、担当者はデータの確認・修正といったチェック業務に集中できるようになります。
税理士自らAIツールを開発する動きも
さらに一歩進んだ動きとして、税理士自身がAIツールを開発し、実務に落とし込む事例も出てきています。SEVENRICH GROUPでは、丸一日かかっていた業務を大幅に短縮したという実務用AIツールの開発事例が紹介されています。詳細な処理内容までは公開されていないものの、こうした「使うだけでなく自分たちで作る」という姿勢は、AI時代の税理士事務所における一つの方向性を示しているといえるでしょう。
AIの知識レベルへの現場の危機感
ツールの活用が進む一方で、AIの知識面での成長スピードに対する現場の危機感も語られています。セブンセンス税理士法人のディレクター、大野修平氏は「AIの税務知識、もう私より上かもしれません」と述べており、単純な情報検索や条文の把握においては、AIが人間の税理士に迫る、あるいは追い越す領域が出てきていることをうかがわせます。こうした状況を踏まえ、2027年は士業にとって「大淘汰」の年になるとの指摘もあり、ツールをどう使いこなすかが事務所の生存戦略に直結し始めていることがわかります。
これらの事例からわかるのは、AIはもはや「導入するかどうか」の議論を超え、「どのツールをどの工程に当てはめるか」という実践フェーズに入っているということです。次章では、こうしたAIが税理士試験レベルの問題にどこまで対応できるのか、実力検証の結果を見ていきます。
AIは税理士試験に合格できるのか?実力検証からわかること
「AI税理士」の実力を測るうえで、税理士試験にAIを解かせるという検証は非常にわかりやすい指標になります。実際に、法人税法の問題を複数のAIに解かせた実験がいくつか報告されており、その結果からはAIの得意分野と限界が浮かび上がっています。
理論問題ではAIの「知識の網羅性」が強みに
ジャスネットキャリアが行った検証では、税理士試験・法人税法の理論問題をAIに解かせたところ、修繕費と資本的支出の違いといった頻出論点には迷いなく対応し、条文番号や通達の根拠まで明確に記述できたと報告されています。人間の受験生であれば時間がかかる条文の照会や暗記事項の整理を、AIは瞬時に処理できるわけです。この点は、知識量と情報整理力が問われる場面でのAIの明確な強みといえます。
計算問題では「制度趣旨の理解」に課題
一方で、同じ検証の別の実験では、還付金の計算問題においてAIが「過大納付額は全額一括還付される」と誤って判断する場面が確認されています。これは、条文を暗記しているだけでは対応できない、複雑な段階的処理や制度の背景にある政策的配慮まで踏み込んで理解する必要がある分野で、AIがつまずいたことを示しています。
さらに具体的な検証として、令和6年度の法人税法計算問題(資本の払戻し・寄附金・減価償却などを含む総合問題)に対し、GoogleのNotebookLMで関連データを事前に投入したうえでGeminiに解答させ、Gensparkプラットフォーム上でChatGPT・Claude・Geminiの3エンジンを同時に稼働させて自己採点まで行うという実験も行われています。
税理士法人ハンズの検証によると、2025年8月実施の第75回税理士試験(法人税法)を3つの最新AIに解かせたところ、合格水準に達したのはGPTのみだったと報告されています。全てのAIが安定して高得点を取れるわけではなく、モデルごとの実力差が試験という形式ではっきり表れる点も注目すべきポイントです。
試験結果からわかるAIの本質
これらの検証結果を総合すると、AIは「知っていること」を正確に引き出す作業には強い一方、「その場の状況に応じて制度趣旨を踏まえた判断を下す」作業にはまだ限界があることがわかります。税理士試験という定量的な切り口は、AIが実務で担える範囲と、人間の税理士に求められる判断力の境界線を浮き上がらせる、貴重な材料といえるでしょう。
税理士事務所のAI導入率とセキュリティ・注意点
これまで見てきたように、AIは記帳業務の効率化から税理士試験レベルの理論理解まで、着実に実力を高めています。しかし現場全体を見渡すと、実際にAIを使いこなしている税理士事務所はまだ少数派というのが実態です。
導入率は10〜30%、使いこなす層はさらに少数
株式会社LOGの調査によると、日本の税理士事務所でAI活用やDXを進めている割合は10〜30%程度とされており、まだ導入していない事務所が大半を占めています。
さらに現場の実感に近い数字として、東洋経済オンラインで紹介された証言があります。それによると、AIのアカウントを持っている税理士はおおむね半分程度、そのうち有料課金しているのはさらに半分、そして「使いこなしている」と言えるレベルの税理士は、そのまた1割程度にとどまるといいます。単純に掛け合わせれば、全体で見ると数%程度しか本格的に使いこなせていないという計算になります。つまり「AIを試してみた」税理士は増えていても、「業務に組み込んで成果を出している」税理士はまだ限られているのが現状です。
なお、税理士事務所の公式サイトを対象にした別の調査(プリズムゲート株式会社)では、AI検索への対応ができているサイトは全体の5.8%という結果も出ています。これはAI業務活用そのものの割合とは異なる指標ですが、税理士業界全体としてAIへの対応がまだ発展途上にあることを示す傾向として参考になります。
顧客データを扱うからこそのセキュリティ意識
税理士事務所は、顧客企業の財務情報や個人の所得・資産といった、極めて機密性の高い情報を日常的に扱う業種です。ChatGPTなどの汎用AIツールに顧客データをそのまま入力してしまうと、意図せず情報が外部に流出したり、AIの学習データとして利用されたりするリスクがあります。
こうしたリスクを避けるためには、次のような対策が欠かせません。
- 顧客の氏名・法人名・具体的な数値を入力する際は匿名化・一般化した形に加工すること
- 利用するAIツールが法人向け・セキュリティ強化版であるか、データの取り扱い方針を事前に確認すること
- 事務所内で「どの業務・どのデータならAIに入力してよいか」というルールを明文化し、職員間で共有すること
導入率がまだ低い今だからこそ、便利さだけに流されず、情報管理のルールを整えたうえでAI活用を進める姿勢が、顧客からの信頼を守るうえで重要になります。
AI時代に選ばれる税理士になるために求められる3つの力
ここまで見てきたように、AIは税理士の仕事をゼロにするものではなく、記帳や仕訳、税務知識の整理といった定型業務を高速化する「相棒」として存在感を増しています。一方で、税理士の登録者数を見ると、令和6年度末現在の税理士名簿登録者数は8万1696人(日税ジャーナルオンライン)で、令和4年度・令和5年度は2年連続で登録抹消が2,000人を超えているという現実もあります(みつかるぷろ)。高齢化による廃業・引退が進む中、AIに仕事を奪われるかどうかよりも、「AIと共存しながら顧客に選ばれ続けられるか」が本質的な問いになってきています。
この問いに答えるために、これからの税理士に求められる力は次の3つに整理できます。
1. コンサルティング力
AIが得意なのは、条文や通達に基づいた正確な情報整理です。しかし還付金の計算実験で見たように、AIは制度趣旨や政策的配慮を踏まえた総合判断が苦手であり、経営者の状況に応じた最適解を導く場面では人間の判断が欠かせません。数字の背景にある経営課題を読み取り、資金繰りや事業承継、投資判断といった「答えが一つではない相談」に踏み込めるかどうかが、今後の税理士の価値を大きく左右します。
2. IT活用力
AI-OCRやChatGPT、Claudeなど、現場で使われるツールはすでに多様化しています。税理士法人ハンズのように、Claude・Notion AI・Google Workspace・AI-OCR・ChatGPTなど複数のAIツールを組み合わせて業務を効率化する事例も出てきており、こうした環境をいち早く取り入れられるかどうかが事務所の生産性に直結します。一方で、税理士事務所全体のAI活用状況は10〜30%程度にとどまり、使いこなしている税理士は全体の数%という証言もあります(東洋経済オンライン)。裏を返せば、ここに早めに取り組むこと自体が、他の事務所との差別化につながる余地が大きいということです。
3. コミュニケーション力
AIは正確な情報を提示できますが、顧客の不安に寄り添い、複雑な制度を分かりやすい言葉に翻訳して伝えることはできません。税務調査への同席や、経営者との継続的な対話の中で信頼関係を築く力は、今後もAIに代替されにくい領域です。特に事業承継や資金調達など、感情面への配慮が求められる場面では、税理士本人の言葉が持つ重みが変わらず重要になります。
AIに任せられる業務は思い切って任せ、そこで生まれた時間をコンサルティング力とコミュニケーション力の強化に振り向ける。この姿勢こそが、AI時代に選ばれる税理士への近道といえるでしょう。
まとめ
「AIが税理士の仕事を92.5%奪う」という数字は、職業消滅率ではなく業務タスクの技術的代替可能性を示したものであり、税理士という職業自体がなくなることを意味していません。エストニアのように税制がシンプルな国では税理士への依存度が下がる一方、複雑な税制を持つ日本では専門家の判断が引き続き求められます。AIは記帳や仕訳、知識の整理といった定型業務を得意とする一方、経営判断や交渉、対話が絡む業務は苦手であり、この境界線は税理士試験を使った検証でも裏付けられています。導入率がまだ10〜30%程度にとどまる今こそ、セキュリティに配慮しながらAIツールを取り入れ、コンサルティング力・IT活用力・コミュニケーション力を磨くことが、AI時代に選ばれる税理士への第一歩となります。まずは自事務所の業務を棚卸しし、AIに任せられる部分から着手してみてはいかがでしょうか。
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