// ARTICLE
生成AI資料作成の完全ガイド|ツール比較と使い方のコツ
// この記事を書いた人
株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

企画書やプレゼン資料の作成に時間がかかりすぎる、デザインに自信がないという悩みを抱えていませんか。生成AIを使えば、構成案の作成からスライドのデザインまで、資料作成の多くの工程を効率化できます。本記事では、生成AIによる資料作成の基本から、最新動向、得られるメリット、工程別のAIと人の役割分担、代表的なツールの比較、実践的なプロンプト例、そして活用時に押さえておきたい注意点まで、体系的に解説します。読み終える頃には、自社に合ったツールを選び、AIとの上手な付き合い方を判断できる状態になっているはずです。
生成AIによる資料作成とは?できることと使われる場面
生成AIによる資料作成とは、企画書やプレゼン資料、報告資料などを作る過程の一部、あるいは大部分をAIに任せて効率化する手法のことを指します。「資料作成AI」とひとくくりに呼ばれることが多いですが、実際には性質の異なる2つのタイプに大別できます。
汎用AIチャット型は、ChatGPTのような対話型のAIサービスを指します。構成案の壁打ちや文章の下書き、情報整理などを対話形式で進められる点が特徴で、資料作成の「中身」を練るフェーズで活躍します。一方で、スライドのデザインやレイアウトまでは基本的に対応していないため、見た目を整える作業は別途必要になります。
専用スライド生成ツール型は、テーマや内容を入力するだけで、テンプレートに沿ったスライドそのものを自動生成してくれるサービスです。デザインの知識がなくても一定水準の見た目に仕上がる点が強みで、資料作成の「仕上げ」の工程を短縮できます。それぞれのツールの特徴や料金の違いについては、後ほど詳しく比較します。
具体的に生成AIが担える作業範囲は、主に以下のようなものです。
- 構成案・骨子の作成:伝えたいテーマから、章立てやストーリーラインの叩き台を作成
- 文章生成:見出しごとの説明文やキャッチコピー、要約文などのドラフト作成
- デザイン自動化:テンプレートへの自動流し込み、配色やレイアウトの調整
- 図解・ビジュアル化:テキスト情報を図やグラフの形に変換
- 翻訳・多言語対応:作成した資料を他言語向けに展開
こうした機能が使われる場面は幅広く、社内向けの企画提案書や営業先へのプレゼン資料、経営会議向けの報告資料、研修用のスライドなど、ビジネスの現場で日常的に発生する「資料を作る」という作業のほとんどに応用が可能です。特に、ゼロから構成を考える段階や、複数パターンのデザイン案を試したい段階など、時間がかかりやすい工程で活用されるケースが増えています。
ただし、生成AIはあくまで「資料作成を助ける道具」であり、すべてを丸投げできるわけではありません。どの工程をAIに任せ、どの工程を人が担うべきかという役割分担の考え方については、後の章で具体的に解説します。
生成AIによる資料作成が広がる背景と最新動向
ここ1〜2年、企画書やプレゼン資料の作成に生成AIを取り入れる企業が急増しています。背景には、大規模言語モデルの進化によって文章生成の精度が実務レベルに達したことに加え、各ツールベンダーが「資料作成」という具体的な業務課題に照準を合わせた機能強化を次々と打ち出していることが挙げられます。もはや「AIで文章を作る」段階から、「AIで資料そのものを組み立てる」段階へと利用シーンが移り変わっているといえるでしょう。
主要ツールの直近アップデート事例
実際に、主要な資料作成AIツールでは、直近も継続的なアップデートが発表されています。
- Microsoft 365 Copilot:2025年1月のアップデートで、Wordファイルを読み込んでストーリー構成に変換する「Narrative Builder」と、最大150枚のスライドを自動要約する機能が追加されました。さらに2025年4月には「Copilot Actions」が発表され、40言語への翻訳や社内テンプレートの適用をワンクリックで自動化できるようになっています。
- イルシル:2025年4月に「AIスライドデザイン生成β」を追加し、内容を入力するだけでゼロからデザインを組み上げる機能を先行提供しています。日本語対応の使いやすさに加え、こうした生成機能の強化が進んでいる点も見逃せません。
- Gamma:2025年2月時点で導入企業が50万社を超え、ユーザー数も5,000万人を突破したと発表されています。個人利用から企業導入まで急速に裾野が広がっていることがうかがえます。
こうした動きに共通するのは、単なる「文章のたたき台作成」にとどまらず、資料全体の構成・デザイン・共有までを一気通貫でカバーしようとする方向性です。各社がスピードを競って機能追加を続けている状況からも、生成AIによる資料作成は一時的なブームではなく、業務プロセスの標準的な一部として定着しつつある段階に入ったと捉えてよいでしょう。次のセクションでは、こうした最新動向を踏まえたうえで、実際に生成AIを資料作成に取り入れることで得られる具体的なメリットを整理していきます。
生成AIで資料作成する3つのメリット
生成AIを資料作成に取り入れることで、これまで人手に頼っていた工程の多くを効率化できます。ここでは代表的な3つの観点から、そのメリットを整理します。
作業時間を大幅に短縮できる
資料作成において最も分かりやすいメリットは、作業時間の圧倒的な短縮です。構成案を考える、文章を整える、スライドのレイアウトを組むといった一連の作業は、これまで数時間から数日かかることも珍しくありませんでした。生成AIを活用すれば、これらの工程を数分から数十分に圧縮できます。
特に効果を実感しやすいのが、資料作成のたたき台づくりです。ゼロから白紙に向き合う時間をなくし、AIが出した骨子やスライド案をベースに手直しをするだけで済むため、全体の作業時間を大幅に短縮できます。
デザイン・構成のスキルがなくても一定品質を出せる
資料作成には、伝わる構成を組み立てる力と、見やすいデザインに仕上げる力の両方が求められます。しかし、これらのスキルは一朝一夕に身につくものではなく、担当者によって仕上がりに大きな差が出やすい領域でした。
生成AIを使えば、デザインの専門知識がなくても、テンプレートやAIの提案に沿って進めるだけで一定水準の見栄えとロジックを備えた資料を作成できます。構成力やデザインセンスに自信がない人でも、AIのサポートによって「及第点」の資料を安定して作れるようになる点は、大きな安心材料といえるでしょう。
属人化を解消しコア業務に集中できる
資料作成が特定のスキルを持つ人に偏ってしまうと、その人の業務負荷が増える一方で、他のメンバーは資料作成を任せきりにしてしまいがちです。こうした属人化は、組織全体の生産性を下げる要因にもなります。
生成AIを導入すれば、誰が担当してもある程度均質な資料を作成できるようになり、特定の人材に依存する状況を解消しやすくなります。その結果、資料作成に割いていた時間を、企画立案や顧客対応、戦略検討といった本来注力すべきコア業務に振り向けられるようになります。専門スキルが不要になることで、チーム全体の資料作成品質を底上げできる点も、生成AI活用の大きな価値です。
資料作成の工程別・AIと人の役割分担
生成AIに資料作成を任せるとき、多くの人が「全部おまかせできるのか、それとも自分でやるべきなのか」という線引きに迷います。この判断を誤ると、AIに任せすぎて説得力のない資料になったり、逆に人がやりすぎて時間短縮の恩恵を得られなかったりします。
そこで有効なのが、資料作成を「ゴール設定」「ターゲット定義」「ストーリー固め」「ファクト・根拠集め」「スライド作成」「デザイン調整」の6ステップに分解し、それぞれをAI主導・人主導・協働のどれで進めるべきかを整理する考え方です。工程ごとに主導権を決めておくことで、AIとの役割分担に迷わず、時間短縮と資料品質を両立させやすくなります。以下では、この6ステップを3つのフェーズに束ねて、それぞれの役割分担を見ていきます。
企画の土台:ゴール設定とターゲット定義は人が担う
資料作成の出発点である「ゴール設定」は、完全に人が担うべき領域です。この資料を通じて何を実現したいのか、誰にどんな意思決定をしてもらいたいのかという目的は、社内の事情や意思決定者の力学を理解している人でなければ定義できません。AIに丸投げしても、当たり障りのない一般論しか返ってこないのが実情です。
続く「ターゲット定義」も人が主体となって進める工程ですが、ここではAIを補助役として活用できます。想定する読み手の役職や関心事、抱えていそうな懸念を自分の中で言語化したうえで、AIに壁打ち相手として整理を手伝ってもらう、という使い方が現実的です。
つまり、企画の土台となるこの2ステップは「人が舵を取り、AIは補助にとどめる」フェーズと位置づけられます。ここでゴールとターゲットの解像度を高めておくことが、後続のAI主導フェーズの精度を大きく左右します。
中身を固める:ストーリー構築とファクト収集はAIが主導し人が検証
土台が固まったら、資料の「中身」を作る工程に移ります。ここからは生成AIの得意領域が広がり、「ストーリー固め」と「ファクト・根拠集め」はAIに主導させ、人は検証役に回るという分担が効率的です。
具体的には、ストーリー構築の段階でAIに複数のたたき台を出させ、そこから最も筋の通る流れを人が選び取っていくイメージです。ファクトや根拠の収集についても、AIに候補を広く挙げさせることで、自分だけでは思いつかなかった切り口や論拠に出会える点がメリットです。
ただし、この工程で人の検証が欠かせません。AIが提示する情報には誤りや古いデータが混じる可能性があるため、引用元が一次ソースかどうか、数字が最新かどうかを人の目で確認する作業が必須です。この検証プロセスの詳細はH2-7で改めて扱いますが、「AIに出させて、人が裏を取る」という役割分担をこの段階から徹底しておくことが、後工程での手戻りを防ぐポイントになります。
仕上げる:スライドドラフトとデザイン調整はAI下書き・人が整形
最後の「スライド作成」と「デザイン調整」の工程では、AIに下書きを作らせ、人が仕上げるという分担が基本になります。スライド作成では、固まったストーリーと根拠をもとにAIにドラフトを一気に作らせることで、ゼロから手を動かすよりも大幅に時間を短縮できます。デザイン調整についても、AIが提案するレイアウトや配色をたたき台にして、最終的な見え方を人が整えるという流れが現実的です。
このように、資料作成の工程は前半になるほど人の判断が重く、後半になるほどAIの生成力に頼る比重が高まっていくのが特徴です。目安として、ストーリーの試作段階ではAIの関与を3割程度、根拠集めでは6割程度、スライドのドラフト作成では8割程度までAIに任せ、最後の統合とデザインの仕上げでは人の手を7割程度まで戻す、という比率配分で進めると、AIの効率性と人による品質担保のバランスが取りやすくなります。
この「工程別の役割分担」という設計図を持っておけば、次に紹介するツールやプロンプトも、どの工程で使うためのものかを迷わず選べるようになります。
資料作成におすすめの生成AIツール比較
生成AIによる資料作成ツールは、無料で気軽に試せるものから、企業導入を前提とした本格的なものまで幅広く存在します。ここでは、料金や機能面での特徴が異なる代表的なツールを、目的別に比較していきます。
無料から試せる資料作成AI(GPT for Slides・Canva)
まずコストをかけずに試してみたいという方には、無料枠が充実したツールがおすすめです。
GPT for Slidesは、無料で利用でき、100以上の言語に対応しているのが特徴です。テーマやアウトラインを入力するだけで、60秒未満というスピードでプレゼンテーションのたたき台を作成できます。まずは生成AIによる資料作成がどのようなものか体験してみたいという方の入り口として適しています。
Canvaは、1億点以上の素材と何百種類もの日本語フォントを備えており、デザイン面での自由度の高さが強みです。作成した資料はPPTやPDF形式でダウンロードでき、既存の業務フローに組み込みやすいのもメリットです。有料プランはCanva Proが年間12,000円(1名)、複数人での利用を想定したCanva for Teamsは年間30,000円(最初の5名の合計)となっており、個人利用から小規模チームまで段階的にステップアップできる料金体系になっています。
なお、無料で資料作成そのものは可能でも、ダウンロード時に課金が発生するツールもあります。たとえばSlidesGPTは資料作成自体は無料・無制限に利用できますが、ダウンロードには「Pay-Per-Downloadプラン」で1ダウンロードあたり2.50ドル、または「Enterpriseプラン(ベータ版)」で月額500ドル+1プレゼンテーションあたり0.50ドルが必要です。無料と書かれていても、どの工程まで無料なのかを事前に確認しておくことが大切です。
日本語対応が強みの国産ツール「イルシル」
海外製ツールの多くは英語圏での利用を前提に設計されているため、日本語特有の言い回しやレイアウトのバランスに違和感が出ることがあります。その点で存在感を放つのが、国産の資料作成AI「イルシル」です。
イルシルは日本語完全対応のインターフェースを備えており、UIがシンプルで初学者でも扱いやすい設計になっています。デザインテンプレートは1,000種類以上を用意しており、デザインパーツ機能を使えば、テンプレートに頼りきらないオリジナリティのある資料も効率的に作成可能です。現状はPCブラウザ版のみの提供となっています。
料金面では、無料版はダウンロード不可・自社テンプレート利用不可といった制限があり、本格的に業務で使うにはProプラン(月額1,680円)への加入が実質的に必要になります。
機能面では、2025年4月に「AIスライドデザイン生成β」が追加され、内容を入力するだけでゼロからデザインを組み上げられるようになりました。この機能により、構成案の作成からデザインの土台づくりまでを一気通貫でAIに任せられる範囲が広がっています。
オールラウンド型で共同編集に強い「Gamma」
チームでの資料作成が多い、あるいはプレゼン以外の用途にも生成AIを使いたいという方には、Gammaが有力な選択肢になります。
Gammaはブラウザベースで、プレゼンテーション・ウェブページ・ドキュメントを横断して生成できるのが最大の特徴です。作成したコンテンツはPPT・Google Slides・PDFへのエクスポートに対応しており、リアルタイムでの共同編集や100以上のブランドテーマも利用できるため、チームでの活用に向いています。テンプレートは30種類以上で、内容を入力すれば1分以内にAIがスライドをカスタマイズしてくれます。
料金は、Plusプランが月額8ドル、Proプランが月額15ドルと比較的手頃な設定です。無料版も用意されていますが、PDF・PPTへのエクスポート時にGammaのロゴが付与される制限があるため、社外に配布する資料として使う場合は有料プランの検討が必要になります。
Gammaは2025年2月時点で導入企業が50万社を突破し、ユーザー数も5,000万人を超えたと発表されており、資料作成AIの中でも特に利用が広がっているツールの一つといえます。
PowerPoint連携で社内資料を自動生成する「Microsoft 365 Copilot」
すでに社内でMicrosoft 365を導入している企業であれば、Microsoft 365 Copilotが最も導入しやすい選択肢になります。
最大の強みは、PowerPointをはじめとするMicrosoft 365ソフト内でそのまま利用できる点です。たとえばWordで作成済みの文書を読み込んでプレゼン資料に変換することもでき、既存の資料作成フローを大きく変えずにAIを取り入れられます。料金は月額30ドルです。
2025年1月のアップデートでは、Wordファイルを読み込んでストーリー化する「Narrative Builder」と、150枚までのスライドを自動要約する機能が追加されました。さらに2025年4月には「Copilot Actions」が発表され、40言語への翻訳や社内テンプレートの適用をワンクリックで自動化できるようになっています。社内で使われるフォーマットが決まっている企業や、多言語での資料展開が必要な企業にとっては、特に恩恵の大きいアップデートといえるでしょう。
資料作成AIを使いこなすプロンプトのコツ
生成AIは、同じツールを使っていても入力するプロンプト次第で成果物の質が大きく変わります。「いい感じの資料を作って」といった曖昧な指示では、当たり障りのない内容しか返ってきません。資料作成のフェーズごとに「何を」「どんな条件で」出してほしいのかを具体的に指定することが、精度を上げる最大のコツです。
ここでは、資料作成の工程を「方向性を固めるフェーズ」と「説得力を高めるフェーズ」の2つに分け、それぞれで使える実践的なプロンプト例をご紹介します。
方向性を固めるフェーズのプロンプト例
企画の初期段階では、アイデアを幅広く発散させたうえで、論点を整理していく作業が中心になります。この段階でAIに求めるのは「正解」ではなく「たたき台」です。人の思考の抜け漏れをなくすための壁打ち相手として使うイメージを持つと、精度が上がります。
具体的には、以下のようなプロンプトが有効です。
- 「◯◯業界の課題を30件、MECEで列挙してください」
- 「列挙した課題を5つの軸で整理してください」
このように「件数」「観点(MECE)」「整理の軸の数」まで具体的に指定するのがポイントです。件数を多めに指定すると、AIは網羅性を意識して発散するため、人が見落としがちな視点まで拾い上げてくれます。その後「軸で整理してください」と続けることで、羅列された情報が構造化され、そのままストーリーの骨格として使いやすくなります。
このフェーズでは、一度の指示で完璧な答えを求めず、「もっと具体的に」「別の切り口でも」と対話を重ねながら選択肢を広げていく使い方が向いています。
説得力を高めるフェーズのプロンプト例
骨子が固まった後は、社内の意思決定者を説得し、実際に企画を通すための資料に仕上げていく段階に入ります。ここで重要になるのは、想定される反論への備えと、伝わりやすい構成への落とし込みです。
代表的なプロンプト例は以下の通りです。
- 「営業部長が想定する懸念点を5件挙げ、それぞれに対する反証を提示してください」
- 「この骨子を30枚のスライドに分割し、1枚あたり1メッセージで整理してください」
前者は、決裁者の立場をAIに演じさせることで、自分では気づきにくい反論の切り口を事前に洗い出せる点が有効です。役職や立場を具体的に指定するほど、想定される懸念もリアルになります。後者は「1枚1メッセージ」という制約を与えることで、情報が詰め込まれすぎたスライドを防ぎ、聞き手が理解しやすい構成に整えられます。
いずれのフェーズにも共通するコツとして、プロンプトには「役割」「目的」「制約条件(件数・文字数・形式など)」の3点をできるだけ具体的に盛り込むことをおすすめします。この3点を意識するだけで、AIの出力は驚くほど実務で使える形に近づきます。
生成AIで資料作成する際の注意点
生成AIによる資料作成は多くのメリットをもたらす一方で、便利さの裏側にいくつかのリスクが潜んでいます。安心して活用を続けるために、押さえておきたい3つの注意点を整理します。
情報の正確性とハルシネーションへの対策
AIツールは学習データをもとに文章やデータを生成する仕組みのため、誤った情報や古い情報が紛れ込む場合があります。もっともらしい体裁で誤情報が出力される、いわゆるハルシネーションは生成AI全般に共通する課題です。
資料作成においては、以下の観点で人によるダブルチェックを行うことが欠かせません。
- 引用している情報が一次ソースに基づいているかどうかを確認する
- 提示された数字が最新のものかどうかを検証する
- 競合にとって不利なデータが意図せず無視されていないかを確認する
- AIが提示した引用リンクは、リンク切れや文脈の誤解釈が混在することがあるため、必ずリンク先の本文まで目を通す
「AIが出したから正しい」と鵜呑みにせず、資料に載せる前に人の目でファクトチェックする工程を、必ずワークフローに組み込んでおきましょう。
著作権・オリジナリティへの配慮
生成AIが作り出す文章やデザインは、既存のコンテンツの傾向を学習した結果であるため、意図せず著作権に触れる表現が含まれてしまう可能性があります。特に画像生成や特徴的な言い回しを流用する場合は、権利関係に注意を払う必要があります。
また、AIが生成する成果物はどうしても定型的になりやすく、オリジナリティに欠ける面があることも意識しておきたいポイントです。聞き手の印象に残るインパクトや、その場の状況に合わせた説得力を出すには、AIの下書きに人ならではの工夫を加える一手間が欠かせません。AIを「たたき台を作る相棒」、自分を「仕上げの責任者」と位置づける意識を持つと、権利面でもクオリティ面でも安心して活用できます。
機密情報・社外秘情報の入力を避ける
社内の業績データや顧客情報、未公開の企画内容など、機密情報や社外秘の情報を安易にプロンプトへ入力するのは避けるべきです。入力した情報がAIサービス側でどのように扱われるかはツールやプランによって異なるため、利用規約やデータ取り扱いポリシーを事前に確認しておく姿勢が求められます。
資料作成にAIを取り入れる際は、社内で「入力してよい情報」と「入力してはいけない情報」の線引きをルール化しておくと、安心して業務に組み込むことができます。便利なツールだからこそ、正確性・著作権・情報管理という3つの視点を意識しながら、賢く付き合っていきましょう。
まとめ
生成AIによる資料作成は、汎用AIチャット型と専用スライド生成ツール型の使い分けを理解し、工程ごとにAIと人の役割を分担することで、時間短縮と品質の両立が可能になります。ゴール設定やターゲット定義は人が主導し、ストーリー構築やファクト収集はAIに広く出させて人が検証、スライド作成とデザイン調整はAIの下書きを人が仕上げるという流れが基本です。GPT for SlidesやCanvaで気軽に試し、イルシルやGamma、Microsoft 365 Copilotなど自社の用途に合ったツールを選びましょう。プロンプトには役割・目的・制約条件を盛り込み、情報の正確性や著作権、機密情報の取り扱いにも注意しながら活用してみてください。


