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Claude 3.5 Sonnetの終了日と移行先
// この記事を書いた人
株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

「Claude 3.5 Sonnet」を今から使いたい、あるいは手元のシステムで使っているモデルがまだ動くのか確かめたいという方に、先に結論をお伝えします。Claude 3.5 Sonnet は、Claude API では2025年10月28日に提供を終了しており、2026年10月時点では呼び出せません。今 Sonnet 系を使うなら、2026年9月28日に公開された最新の Claude Sonnet 5.5 が移行先の本命です。この記事では、提供終了の日付と確認方法、今選ぶべきモデル、3.5 Sonnet が登場時に何を変えたのか、3.5 から Sonnet 5.5 までの後継の流れ、そして古いコードを Sonnet 5.5 へ移すときの注意点を、公式の情報をもとに整理します。
結論:Claude 3.5 Sonnetは今も使える?
旧モデルを探してこの記事にたどり着いた方がまず知りたいのは、「今も使えるのか」と「代わりに何を使えばよいのか」の2点だと思います。順に答えます。
Claude APIでは2025年10月28日に提供終了
Anthropic のモデル廃止(Model deprecations)の公式ページによると、Claude 3.5 Sonnet の2つのモデルは次のとおり提供を終了しています。
- 対象のモデルID:
claude-3-5-sonnet-20240620(2024年6月版)とclaude-3-5-sonnet-20241022(2024年10月のアップグレード版) - 廃止の告知:2025年8月13日
- 提供終了(retired):2025年10月28日
同じページでは、提供終了(Retired)を「モデルがもう利用できない状態で、リクエストは失敗する」と定義しています。つまり、今もコードの中に上記のモデルIDが残っている場合、そのリクエストはエラーになります。
なお、3.5 Sonnet の後継だった Claude 3.7 Sonnet(claude-3-7-sonnet-20250219)は2026年2月19日に、Claude Sonnet 4(claude-sonnet-4-20250514)は2026年6月15日に、Claude API での提供を終了しています。さらに Claude Sonnet 4.5(claude-sonnet-4-5-20250929)も2026年9月30日に廃止が告知され、2026年11月30日に提供を終了する予定です。「3.5 がだめなら 3.7 か Sonnet 4、Sonnet 4.5 に」という選び方は、2026年10月時点ではおすすめできません。
今使うならClaude Sonnet 5.5
2026年10月時点で最新の Sonnet は、2026年9月28日に公開された Claude Sonnet 5.5 です。Claude Sonnet 5.5 の公式ドキュメントでは、「速度と知能の組み合わせが最良のモデル」と位置づけられています。主な仕様は次のとおりです。
- モデルID:
claude-sonnet-5-5 - API料金:入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり10ドル
- コンテキストウィンドウ:100万トークン
- 最大出力:12万8,000トークン
- 提供終了の予定:2027年9月28日より前には終了しない
廃止一覧のページでは、3.5 Sonnet の推奨置き換え先として、今も claude-sonnet-4-6(Claude Sonnet 4.6)が示されています。ただしモデルの概要ページでは、Sonnet 4.6 も前世代の Claude Sonnet 5 も「レガシーモデル(引き続き利用可)」に分類されており、現行の Sonnet は Sonnet 5.5 です。2026年9月30日に告知された Sonnet 4.5 の廃止では、推奨置き換え先として claude-sonnet-5-5 が示されています。これから移行するのであれば、Sonnet 4.6 や Sonnet 5 を経由せず、はじめから Sonnet 5.5 に合わせるほうが手戻りが少なくて済みます。
Sonnet 以外も含めて選びたい場合は、目安として次のように考えるとよいでしょう。
- 性能とコストのバランスを重視する:Claude Sonnet 5.5
- より難しい作業や長時間のエージェント作業を任せたい:上位の Claude Opus 5.5。Sonnet との使い分けはClaudeのモデル比較とOpus・Sonnetの違いで詳しく説明しています。
- 速度と料金を最優先したい:最も高速なClaude Haiku 4.5(入力1ドル・出力5ドル/100万トークン)。ただし廃止一覧では、提供終了の予定が「2026年10月15日より前には終了しない」とされているため、使う前に最新の状況を確認してください。
AWS・Google Cloud経由で使っている場合
上記の日付は、Claude API など Anthropic が運営するプラットフォームでのものです。廃止一覧のページには、Amazon Bedrock と Google Cloud はパートナーが運営するプラットフォームのため、提供終了の時期を各社が独自に決めており、状態や日付が異なる場合があると明記されています。
2026年10月時点で、Anthropic の Amazon Bedrock 向けドキュメントと Google Cloud 向けドキュメントのモデルID一覧には、Claude 3.5 Sonnet は掲載されていません。クラウド経由で使っている場合は、各ドキュメントから案内されている Amazon Bedrock・Google Cloud 側のモデルのライフサイクル情報で、最新の状況を確認してください。
Claude 3.5 Sonnetとは?登場の背景
ここからは、Claude 3.5 Sonnet がどのようなモデルだったのかを振り返ります。すでに提供は終わっていますが、今の Claude の使い方の多くはこの世代から始まっています。
2024年6月の登場と当時の位置づけ
Claude 3.5 Sonnet は、Anthropic が2024年6月に発表したモデルです。Anthropic の発表記事では、次の点が示されていました。
- 大学院レベルの推論(GPQA)、学部レベルの知識(MMLU)、コーディング能力(HumanEval)のベンチマークで、業界の新たな基準を打ち立てたこと
- 当時の上位モデル Claude 3 Opus の2倍の速度で動作すること
- API料金は入力100万トークンあたり3ドル、出力100万トークンあたり15ドルで、コンテキストウィンドウは20万トークンであること
- 標準的なビジョン(画像理解)のベンチマークで Claude 3 Opus を上回り、同社で最も強力なビジョンモデルであること
- Claude.ai と Claude の iOS アプリで無料で使え、Anthropic API、Amazon Bedrock、Google Cloud の Vertex AI からも利用できること
当時の Claude 3 ファミリーは、上位の Opus、中位の Sonnet、軽量の Haiku という3段階の構成でした。3.5 Sonnet は中位の Sonnet という名前でありながら、上位の Claude 3 Opus より速く動くモデルとして登場し、「Sonnet でも十分に賢い」という評価を広めるきっかけになりました。
2024年10月のアップグレード
2024年10月22日には、Claude 3.5 Sonnet のアップグレード版が公開されました。Anthropic の発表記事によると、主なベンチマークのスコアは次のように向上しています。
- SWE-bench Verified(ソフトウェア開発の課題解決):33.4% → 49.0%
- TAU-bench 小売(業務タスクの遂行):62.6% → 69.2%
- TAU-bench 航空:36.0% → 46.0%
料金と速度は従来と同じまま、とされていました。このアップグレード版が、先に述べた claude-3-5-sonnet-20241022 です。
Artifacts・Computer useでできたこと
Claude 3.5 Sonnet の世代では、対話で答えを返すだけにとどまらない機能が2つ登場しました。
Artifacts機能とは何か
Artifacts は、2024年6月の3.5 Sonnet の発表とあわせて Claude.ai に導入された機能です。発表記事では、コードの断片や文書、Webサイトのデザインといったコンテンツの生成を頼むと、それが会話の横の専用ウィンドウに表示される仕組みとして紹介されていました。
それまでは生成物が会話の流れの中に埋もれがちでしたが、Artifacts によって会話と作業物を分けて扱えるようになりました。コードを書かせながら結果を確かめたり、文書のドラフトを本文と分けて見たりといった使い方が、この機能から広まりました。
Computer use(PC操作の自動化)とは何か
Computer use は、2024年10月22日のアップグレード版と同時に、API でパブリックベータとして公開された機能です。発表記事では、Claude が画面を見て、カーソルを動かし、ボタンをクリックし、文字を入力するといった、人がパソコンを操作するのと同じ方法で作業できる機能と説明されています。
Anthropic は、Claude 3.5 Sonnet を「Computer use をパブリックベータで提供する初のフロンティアAIモデル」としていました。一方で、当時はまだ実験的な段階で、操作が煩雑だったり誤りが起きたりすることもあると認めていました。Asana、Canva、Cognition、DoorDash、Replit、The Browser Company が、この機能の活用を探り始めた企業として挙げられています。
Computer use はその後も引き継がれています。Claude Sonnet 5.5 への移行ガイドによると、Sonnet 5.5 は Claude API と Google Cloud では、Computer use をツールセット computer_toolset_20260801 を通じてだけ利用できます(Amazon Bedrock では computer_20251124 を使います)。
3.5からSonnet 5.5までの後継の流れ
Claude 3.5 Sonnet から現在の Sonnet 5.5 までの流れを、公式の発表とドキュメントで確認できた範囲で整理します。
Sonnetの世代交代の年表
- Claude 3.5 Sonnet:2024年6月に発表、2024年10月22日にアップグレード版を公開。2025年10月28日に提供終了
- Claude 3.7 Sonnet:2025年2月に発表。2026年2月19日に提供終了
- Claude Sonnet 4:2025年5月22日に Claude Opus 4 とともに発表。2026年6月15日に Claude API での提供を終了
- Claude Sonnet 4.5:2025年9月29日に発表。2026年9月30日に廃止が告知され、2026年11月30日に提供終了の予定
- Claude Sonnet 4.6:2026年2月17日に発表。2026年10月時点ではレガシー(利用可)
- Claude Sonnet 5:2026年6月30日に公開。2026年10月時点ではレガシー(利用可)
- Claude Sonnet 5.5:2026年9月28日に公開。2026年10月時点の最新版
3.5 Sonnet から Sonnet 4.6 まで、API料金は入力3ドル・出力15ドル(100万トークンあたり)で据え置かれてきました。Sonnet 5 で入力2ドル・出力10ドルに下がり、Sonnet 5.5 も同じ料金です。
各世代で何が変わったか
- Claude 3.7 Sonnet:Anthropic の発表では、市場初の「ハイブリッド推論モデル」とされました。すぐに答える通常モードに加えて、答える前にじっくり考える extended thinking(拡張思考)モードを備え、API では考える量の上限を指定できました。同じ発表で、エージェント型のコーディングツール Claude Code が限定的なリサーチプレビューとして紹介されています。
- Claude Sonnet 4:Claude 4 の発表では、Sonnet 3.7 から特にコーディングの能力を大きく伸ばしたモデルとされました。同じ発表で Claude Code が一般提供になっています。
- Claude Sonnet 4.5:Claude Sonnet 4.5 の発表では、コーディング、複雑なエージェントの構築、コンピューターの操作に強いモデルと紹介されました。
- Claude Sonnet 4.6:Claude Sonnet 4.6 の発表では、コーディング、Computer use、長い文脈での推論などを改善したモデルとされ、100万トークンのコンテキストウィンドウがベータで提供されました。
- Claude Sonnet 5:Claude Sonnet 5 の発表では、推論、ツールの使用、コーディング、知的作業といったエージェントとしての性能が Sonnet 4.6 から大きく向上したとされました。考える量をモデル自身が判断する adaptive thinking が標準でオンになり、100万トークンのコンテキストウィンドウが標準になっています。
- Claude Sonnet 5.5:Claude Sonnet 5.5 の発表では、Sonnet 5 より出力の生成が30%以上速く、トークン単価は同じまま1タスクあたりの費用が最大30%下がるとされています。
Sonnet 以外も含めた現在のラインナップ全体も、同じモデル比較の記事でまとめています。
3.5 Sonnet系のコードをSonnet 5.5へ移行するポイント
3.5 Sonnet を組み込んだまま止まっているシステムを Sonnet 5.5 に移す場合、モデルIDを書き換えるだけでは動かないことがあります。Claude Sonnet 5.5 への移行ガイドで、Claude 3.7 Sonnet や Sonnet 4.5 以前から移る場合の注意点として挙げられている主な項目を短くまとめます。
モデルIDを変更する
まず、claude-3-5-sonnet-20240620 や claude-3-5-sonnet-20241022 を claude-sonnet-5-5 に書き換えます。Amazon Bedrock では anthropic.claude-sonnet-5-5 という形式になります。移行ガイドでは、Claude Code で /claude-api migrate を実行すると、モデルIDの置き換えや必要なパラメータの変更をコード全体に適用し、手で確認すべき項目の一覧を作れると案内されています。
料金はトークン数とあわせて見直す
Sonnet 5.5 の料金は入力2ドル・出力10ドル(100万トークンあたり)で、3.5 Sonnet の入力3ドル・出力15ドルより単価は下がっています。ただし Sonnet 5.5 は Sonnet 5 と同じ新しいトークナイザーを使っており、同じ文章でも Sonnet 4.6・Sonnet 4.5 と比べて約30%多いトークン数になると説明されています。移行ガイドは、トークン数を数え直し、max_tokens と費用を見直すよう求めています。以前のモデルで測ったトークン数を使い回さず、本番に移す前に普段の処理で費用を測り直しておくと安心です。API全体の料金の考え方はClaude APIの料金と始め方でも説明しています。
extended thinkingとパラメータの扱い
3.7 Sonnet で導入された考える量を手動で指定する方式(thinking: {type: "enabled", budget_tokens: N})は、Sonnet 5.5 では受け付けられず、400エラーになります。Sonnet 5.5 では thinking を指定しなくても adaptive thinking が動き、考える深さは effort パラメータ(low・medium・high・xhigh・max の5段階、Claude API での既定値は high)で調整します。回答の前に考える動きを止めたい場合は、thinking: {type: "between_tools"} を指定します(effort が high 以下のときに使えます)。Sonnet 5 で使えた thinking: {type: "disabled"} は、Sonnet 5.5 では400エラーになります。
思考がオンになると、回答の本文より前に思考のブロックが返ることがあります。content[0].text のように順番で本文を取り出しているコードは、ブロックの種類(type)で選ぶ書き方に直す必要があります。思考の本文は既定では返されず、思考のトークンは出力トークンとして課金されます。
このほか、Claude 3.x から移る場合は次の点にも注意が必要です。
- サンプリングパラメータ:
temperature・top_p・top_kを既定以外の値にすると400エラーになるため、削除してプロンプトで調整します。 - アシスタントメッセージのプリフィル:回答の書き出しを先に埋めておく方法は Sonnet 4.6 以降で400エラーになるため、構造化出力やシステムプロンプトでの指示に置き換えます。Amazon Bedrock では Sonnet 5.5 の構造化出力が使えないため、形式をプロンプトで指示し、出力をコード側で検証します。
- ツールの指定:
tool_choiceで特定のツールを強制するany・toolは400エラーになります。autoにして、ツールにstrict: trueを付ける方法に置き換えます。 - ツールのバージョン:テキストエディタは
text_editor_20250728(undo_editコマンドなし)、コード実行はcode_execution_20260521に更新します。 - 拒否への対応:
stop_reasonがrefusal(拒否)になった場合の処理を用意します。Sonnet 5.5 は Sonnet 5 より多くの分野で依頼を断ることがあり、サイバー攻撃や生物学的な危害につながる依頼などが対象として挙げられています。
まとめ
Claude 3.5 Sonnet は、2024年6月に登場し、中位の Sonnet でありながら当時の上位モデル Claude 3 Opus の2倍の速度で動くモデルとして注目を集めました。Artifacts や Computer use といった、今の Claude にもつながる機能が登場したのもこの世代です。ただし Claude API では2025年10月28日に提供を終了しており、後継の Claude 3.7 Sonnet と Claude Sonnet 4 もすでに終了、Claude Sonnet 4.5 も2026年11月30日に終了する予定です。2026年10月時点で Sonnet 系を使うなら、最新の Claude Sonnet 5.5 を選ぶのが基本です。古いコードを移すときは、モデルIDの変更に加えて、トークン数と費用の測り直し、extended thinking の設定の削除、サンプリングパラメータの削除を忘れずに確認してください。
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