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AIグラフ作成の使い方完全ガイド|手順・比較・注意点
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株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

Excelでのグラフ作成に時間がかかる、デザインが整わないと感じたことはないでしょうか。ChatGPTやGemini、Copilotといった生成AIを使えば、データと指示を伝えるだけでグラフを自動生成できます。この記事では、AIグラフ作成の仕組みとメリットから、ChatGPT・Gemini・Copilotそれぞれの具体的な操作手順、目的別のおすすめツール比較、意図通りのグラフを作るプロンプトのコツ、さらに法人利用時に押さえておきたいセキュリティやファクトチェックの注意点まで、実務に直結する内容を一通り解説します。読み終えたころには、自社のデータを使ってすぐにグラフを作成できるようになっているはずです。
AIグラフ作成とは?できることと従来のExcel・BIツールとの違い
「ai グラフ作成」とは、ChatGPTやGemini、Copilotといった生成AIツールに対して、手元のデータと作りたいグラフのイメージを自然な言葉で伝えるだけで、AIが自動でグラフを生成してくれる手法のことです。従来のように自分でグラフの種類を選び、軸を設定し、デザインを整える作業を、AIが代行してくれるイメージです。
AIグラフ作成の仕組み(自然言語の指示からグラフが生まれるまで)
AIグラフ作成の基本的な流れは、次のようなステップで進みます。
- データを読み込ませる:ExcelファイルやCSVデータ、あるいは表形式のテキストをそのままAIにアップロード、またはコピー&ペーストします。
- 作りたいグラフを言葉で伝える:「月別の売上推移を棒グラフにして」「地域ごとの割合を円グラフで見せて」といったように、目的とグラフの種類を自然言語で指示します。
- AIがデータを解析し、グラフを生成する:AIは入力されたデータの構造(数値・カテゴリ・時系列など)を読み取り、指示内容に合わせてグラフを自動で描画します。
- 必要に応じて修正を指示する:「色を変えて」「凡例を右上に」など、追加の指示を出すことで、AIがその都度グラフを調整してくれます。
この一連の流れの中で読者が担うのは「データを渡すこと」と「言葉で指示すること」だけであり、グラフの種類の選定やデザインの微調整といった専門的な作業の多くをAI側が引き受けてくれる点が、AIグラフ作成の大きな特徴です。具体的な操作手順やツールごとの違いについては、後述する手順解説のセクションで詳しく扱います。
Excel・BIツールとの違いはどこにあるか
AIグラフ作成と、従来から使われてきたExcelやBIツール(Tableau、Power BIなど)は、同じ「グラフを作る」という目的を持ちながらも、アプローチの仕方が大きく異なります。
- 操作の起点が「メニュー選択」か「自然言語」か:ExcelやBIツールは、グラフの種類・軸・色などをメニューやダイアログから一つずつ選んで設定していく必要があります。一方AIグラフ作成では、こうした設定作業を言葉で伝えるだけで済ませられる点が最大の違いです。
- 習熟に必要な知識の量:Excelの複雑なグラフ機能やBIツールのダッシュボード構築には、一定の操作知識や慣れが求められます。AIグラフ作成であれば、細かい機能の使い方を覚えなくても、伝えたいイメージを言葉にできれば形にしてもらえます。
- 分析との距離感:Excelはあくまで「グラフを描画するための表計算ソフト」、BIツールは「大量データを継続的に可視化・分析するための専用基盤」という性質が強く、いずれもグラフ化そのものは道具として提供されるにとどまります。これに対しAIグラフ作成では、グラフを生成する過程でAIがデータの傾向やポイントについてコメントを添えてくれる場合があり、可視化と簡易的な考察が一体になっている点が特徴的です。
とはいえ、AIグラフ作成が万能というわけではなく、大量データの継続的な管理や高度な分析基盤としての運用には、依然としてBIツールが適した場面もあります。AIグラフ作成がどのような場面で特に力を発揮するのかは、次のメリットの整理で具体的に見ていきます。
AIでグラフを作成する3つのメリット
AIグラフ作成の仕組みが分かったところで、次に気になるのは「実際にどんなメリットがあるのか」という点ではないでしょうか。ここでは、AIに切り替えることで得られる代表的な3つのメリットを整理します。
作業時間を大幅に短縮できる
Excelでグラフを作る場合、データを選択し、グラフの種類を選び、軸ラベルや色、凡例を一つひとつ調整するという工程が発生します。この一連の作業は、慣れている人でも意外と時間がかかるものです。
AIグラフ作成であれば、こうした工程の多くを自然言語の指示だけで済ませられます。「このデータを月別の棒グラフにして」と伝えるだけで、AIがグラフの種類選定からデザインの調整までを一括で行ってくれるため、手作業で発生していた細かい設定の手間が省けます。具体的な短縮時間はデータの複雑さや作成者のスキルによって変わるため一概には言えませんが、繰り返し発生するレポート作成業務ほど、時間削減の効果を実感しやすい傾向にあります。
グラフ作成の専門知識がなくても見やすい図が作れる
「どのグラフ種類を選べば伝わりやすいか」「配色や余白のバランスをどう取るか」といったデザインの知識は、意外と属人化しやすいポイントです。担当者によって仕上がりの質にばらつきが出てしまうことも珍しくありません。
AIグラフ作成ツールは、こうしたデザインの判断を一定の水準で肩代わりしてくれます。データの性質に応じて適切なグラフ形式を提案してくれるため、専門的なデザインスキルがなくても、見やすく整ったグラフを安定して作成できます。社内資料や顧客向け資料の品質を、担当者のスキルに依存せず一定に保ちたい場合にも有効な考え方です。
グラフ化と同時にデータの傾向・示唆まで得られる
従来のグラフ作成は「データを可視化するだけ」の作業でしたが、AIを使う場合はその先の一歩を踏み出せる点が大きな違いです。多くのAIチャットツールは、グラフを生成する過程でデータそのものを解析しているため、グラフと合わせて「この期間に数値が伸びている」「特定の項目が突出している」といった傾向や気づきをコメントとして提示してくれることがあります。
これにより、グラフ作成が単なる作業から、簡易的なデータ分析の第一歩へと役割を広げられます。ただし、AIが示す傾向や示唆はあくまで一次的な参考情報であり、業務で使う際には内容を鵜呑みにせず、自身の目でも確認する姿勢が欠かせません。この点については、後述する注意点のセクションで改めて取り上げます。
【手順解説】ChatGPT・Gemini・Copilotでグラフを作る方法
AIグラフ作成の仕組みが分かったところで、ここからは実際に手を動かして進めていきましょう。多くの企業ですでに導入されている代表的な3つのチャットAI「ChatGPT」「Google Gemini」「Microsoft Copilot」について、それぞれの操作手順を具体的に解説します。どれも基本的な流れは似ていますが、データの渡し方や出力形式に細かな違いがあるため、自社で使っているツールに合わせて参考にしてください。
ChatGPT(Advanced Data Analysis)でグラフを作る手順
ChatGPTでグラフを作る際は、「Advanced Data Analysis」と呼ばれるデータ分析機能を使うのが基本です。手順は以下の通りです。
- データファイルをアップロードする チャット画面のファイル添付機能から、Excel(xlsx)やCSV形式のデータファイルをそのままアップロードします。あらかじめ表を整えておく必要はなく、多少列名が揺れていてもAI側である程度解釈してくれます。
- 作りたいグラフを自然言語で指示する 「このデータの月別売上推移を折れ線グラフにしてください」のように、目的とグラフの種類を伝えます。指示が曖昧なままでも一応グラフは生成されますが、意図と違う結果になりやすいため、できるだけ具体的に伝えるのがポイントです。
- 生成されたグラフを確認し、修正を依頼する 出力されたグラフを見て、色味や軸ラベル、凡例の位置などを追加で指示すれば、その場で修正した図を再生成してくれます。
- 画像やファイルとしてダウンロードする 完成したグラフは画像として保存できるほか、会話の中でExcelファイルへの出力を依頼することも可能です。
ChatGPTは会話の流れの中で何度も修正を繰り返せる点が特徴で、試行錯誤しながら理想のグラフに近づけていく使い方に向いています。なお、機能名やバージョンは今後のアップデートで変わる可能性があるため、実際に使う際は最新版の画面表示に沿って操作してください。
Google Geminiでグラフを作る手順
Google Geminiでも、チャット形式でのデータ分析からグラフ生成までを一連の流れで行うことができます。
- データを共有する ファイルを直接アップロードする方法のほか、Googleスプレッドシートと連携している場合はシートを指定して読み込ませることもできます。普段からGoogle Workspaceを使っている企業であれば、この連携のしやすさが利点になります。
- グラフ化したい内容を指示する 「この表から部門別の予算消化率を棒グラフで比較してください」のように、比較したい軸と数値、グラフの種類を伝えます。
- 出力結果を確認し、必要に応じて調整を依頼する 生成されたグラフに対して、「色を落ち着いたトーンにしてください」「単位を万円表記にしてください」など、細かい調整を追加で依頼します。
- 資料に貼り付けて活用する 生成された画像はそのままスライド資料やドキュメントに貼り付けて利用できます。
Geminiは他のGoogleサービスとの連携がしやすい点が強みなので、日頃からスプレッドシートでデータを管理している業務フローとの相性が良いといえます。
Microsoft Copilot(Excel連携)でグラフを作る手順
すでにExcelで業務データを管理している企業であれば、Microsoft Copilotを使う方法が最も導入しやすいかもしれません。
- Excel上でCopilotを起動する グラフ化したいデータ範囲を選択した状態で、Copilotのチャットパネルを開きます。
- 自然言語でグラフ作成を指示する 「選択した範囲のデータを使って、四半期ごとの売上推移グラフを作成してください」のように、範囲内のデータに対してそのまま指示を出します。
- 提案されたグラフを選ぶ、または修正する Copilotがいくつかのグラフ案を提示してくれる場合もあるため、その中から目的に合うものを選ぶか、意図したものと違えば言葉で修正を依頼します。
- Excelのシート上でそのまま編集を続ける 生成されたグラフはExcelの通常のグラフオブジェクトとして挿入されるため、その後は手動での微調整もいつも通りの操作で行えます。
Copilotの最大の利点は、グラフ化した後もExcelの標準機能でそのまま編集・管理できる点です。すでに社内でExcelを使った資料作成フローが定着している場合、既存の業務に最も馴染みやすい選択肢といえるでしょう。
いずれのツールも、データを渡して指示を出し、出力を見て調整するという基本の流れは共通しています。次のセクションでは、これら3つのツールに加えて、目的別に選べるおすすめツールを比較していきます。
目的別・AIグラフ作成おすすめツール比較
AIグラフ作成ツールは、汎用チャットAI型からデザイン特化型、BI分析特化型まで幅広く存在します。ここでは「自分の用途にはどのタイプが向いているか」という観点で整理していきます。前セクションで手順を紹介したChatGPT・Gemini・Copilotに加え、目的別の選択肢も知っておくと、業務シーンに応じた使い分けができるようになります。
汎用チャットAI型(ChatGPT・Gemini・Copilot)が向くケース
ChatGPT、Google Gemini、Microsoft Copilotのような汎用チャットAI型は、次のようなケースに向いています。
- 手元にあるデータをすぐにグラフ化したい、スピード重視のシーン
- 資料作成の一部としてグラフを作りたいだけで、専用ツールを別途契約したくない
- 普段の業務でチャットAIを使い慣れており、追加の学習コストをかけたくない
これらのツールは、すでに多くの企業で導入が進んでいるチャットAIの延長線上でグラフ作成ができる点が強みです。データを渡して自然言語で指示するだけでグラフの下書きが手に入るため、「ちょっとしたグラフをすぐ用意したい」というニーズには特に向いています。一方で、デザインの精緻さや大量データの本格分析には、後述の専用ツールのほうが適している場面もあります。
デザイン重視型(Canva Magic Charts・Napkin AI)が向くケース
Canva Magic ChartsやNapkin AIなどは、デザイン性の高さを重視したい場面に向くタイプのツールとして紹介されることが多いです。以下のようなケースで検討する価値があります。
- プレゼン資料や社外向けレポートなど、見た目の完成度が求められる資料を作るとき
- グラフだけでなく、周辺のレイアウトやデザイン要素も含めて一括で仕上げたいとき
- デザインの専門知識がなくても、洗練された印象のグラフを作りたいとき
チャットAI型が「素早くグラフの骨格を作る」ことに強みがあるのに対し、デザイン重視型は「見せるための完成度」を高める方向に特化していると位置づけられます。社内向けの簡易資料であればチャットAI型で十分ですが、クライアント向けの提案書や広報資料など、デザインの印象が評価に直結する場面では、こうしたツールの利用も検討する余地があります。ただし各ツールの具体的な機能や料金プランは変化しやすいため、利用前に公式情報を確認することをおすすめします。
BI・分析特化型(Tableau AI・Power BI)が向くケース
Tableau AIやMicrosoft Power BIといったBI(ビジネスインテリジェンス)ツール系のAI機能は、単発のグラフ作成というよりも、継続的なデータ分析基盤の一部として活用されるタイプです。次のようなケースに向いています。
- 社内の複数のデータソースを統合し、継続的にダッシュボードで可視化したい
- 一度だけのグラフ作成ではなく、日次・週次など定期的にデータを更新して見ていきたい
- 経営層への報告など、複数の指標を組み合わせた分析結果を示す必要がある
チャットAI型やデザイン重視型が「1枚のグラフを素早く・きれいに作る」ことに向いているのに対し、BI・分析特化型は「データ基盤と連携した継続的な可視化」を担う位置づけです。すでに社内でBIツールを導入している企業であれば、AI機能を活用してグラフ作成の手間をさらに減らせる可能性があります。逆に、単発のレポート作成が目的であれば、BIツールの導入・運用コストは過剰になる場合もあるため、用途に応じた判断が必要です。
無料で試せるグラフ生成特化型(ChartGen AIなど)が向くケース
ChartGen AIのように、グラフ生成に特化した無料利用可能なツールも登場しています。こうしたツールは以下のようなケースに向いています。
- まずはAIグラフ作成そのものを試してみたい、導入前の検証段階
- 個人利用や小規模なプロジェクトで、コストをかけずにグラフを作りたい
- 汎用チャットAIやBIツールを導入する前に、操作感を確かめておきたい
無料で試せるグラフ生成特化型は、いきなり有料ツールやBI基盤を導入する前の「お試し」の位置づけとして活用しやすいのが特徴です。ただし、無料版では対応できる機能やデータ量に制限がある場合が一般的なので、本格的な業務利用を検討する際は、有料プランへの移行や他のツールとの比較検討が必要になります。
このように、AIグラフ作成ツールは一つに絞る必要はなく、「単発の資料作成にはチャットAI型」「デザイン重視の資料にはCanva Magic Chartsなど」「継続的な分析にはBIツール」「まず試すだけなら無料特化型」と、目的に応じて使い分けるという発想が現実的です。
AIに意図通りのグラフを作らせるプロンプトのコツ
AIグラフ作成でよくある失敗が、「データを渡せば勝手に良いグラフを作ってくれる」という思い込みです。AIはあくまで指示文(プロンプト)に基づいてグラフを生成するため、指示が曖昧だと意図とズレたグラフが返ってきてしまいます。ここでは、手戻りを減らすための指示文の書き方を3つのポイントに分けて紹介します。
目的とグラフの種類を先に伝える
まず伝えるべきは「このグラフを何のために使うのか」という目的です。AIは目的が分かることで、どの要素を強調すべきかを判断しやすくなります。たとえば以下のように、目的とグラフの種類をセットで伝えるのが基本です。
- 「経営会議で使う資料なので、前年同期比が一目で分かる棒グラフを作ってください」
- 「営業チームの月次推移を示すために、折れ線グラフでお願いします」
- 「各部門の割合を比較したいので、円グラフではなく積み上げ横棒グラフにしてください」
「グラフを作って」だけの指示では、AIが自動で判断したグラフ形式が読者の意図と合わないケースが少なくありません。棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフ・散布図など、グラフの種類を自分で指定するだけで、出力の精度は大きく変わります。特に「比較」「推移」「割合」「相関」のどれを見せたいのかを一言添えると、AIが選ぶグラフ形式のミスマッチを防げます。
軸・単位・色などの見た目を具体的に指定する
グラフの種類が合っていても、軸や単位、配色が意図と違うと使いにくいグラフになってしまいます。見た目に関する指示は、できるだけ具体的な言葉で伝えるようにしましょう。
- 軸の指定:「横軸を月別、縦軸を売上金額(万円)にしてください」
- 単位の指定:「金額は円ではなく万円単位で表示してください」
- 色の指定:「自社カラーの青系で統一し、目立たせたい項目だけ赤にしてください」
- 並び順の指定:「数値の大きい順に並び替えてください」
見た目の指示を省略すると、AIが独自の判断でデザインを決めてしまい、資料としてそのまま使いにくい状態になることがあります。特に社外向けのプレゼン資料などでは、色使いや軸のラベルが整っているかどうかが見た目の印象を大きく左右するため、細部まで指定しておくのが無難です。
修正は「差分」で伝えて手戻りを減らす
一度出力されたグラフに対して修正を依頼する際は、最初から作り直しを指示するのではなく、「どこをどう変えたいか」という差分だけを伝えるのがコツです。
- 「全体的にやり直してください」ではなく、「凡例の位置だけ右上に移動してください」
- 「もう一度作ってください」ではなく、「縦軸の目盛りを10万円単位から5万円単位に変更してください」
- 「色を変えてください」ではなく、「A項目の色だけオレンジに変更し、他はそのままにしてください」
差分で指示することで、AIは変更が不要な部分をそのまま維持しやすくなり、意図しない箇所まで変わってしまう手戻りを防げます。何度もやり取りが発生する場合は、その都度「変更してほしい点」と「変更しないでほしい点」を分けて伝えると、修正のスピードが上がります。
法人・業務利用でAIグラフ作成を使う際の注意点
AIグラフ作成は個人利用であれば気軽に試せますが、企業の業務で使う場合は個人利用とは異なる視点でのリスク管理が欠かせません。ここでは、業務利用時に特に押さえておきたい3つの注意点を整理します。
機密情報・個人情報を入力しないためのルール作り
ChatGPT・Gemini・Copilotなどのチャット型AIにデータを渡してグラフを作成する際は、そのデータがどこに送信され、どのように扱われるのかを意識する必要があります。売上データや顧客リスト、人事情報といった機密情報・個人情報をそのまま入力してしまうと、意図しない情報漏洩につながるおそれがあります。
業務でAIグラフ作成を導入する際は、次のようなルール作りをしておくと安心です。
- 入力してよいデータの範囲をあらかじめ社内で定義しておく
- 顧客名・社員名・金額などの機微な項目はダミーデータや記号に置き換えてから入力する
- 利用するAIツールが法人向けプランかどうか、データの学習利用有無を確認する
- 部署や個人の判断に任せず、情報システム部門などが利用ガイドラインを整備する
特に無料版のチャットAIは、入力内容が今後のモデル改善に利用される可能性があるとされているため、機密情報を扱う場合は法人向けプランの利用や、データの取り扱いに関する規約の確認を習慣にしておくことが望ましいでしょう。ツールの選定自体は前のセクションで比較した通り目的別に検討すべきですが、どのツールを選ぶにしても「何を入力してよいか」の社内ルールは共通して必要です。
生成されたグラフ・数値のファクトチェックを徹底する
AIが作成したグラフは、見た目が整っていても、元データの解釈や集計方法にずれが生じている場合があります。特に自然言語での指示から自動的に集計・可視化を行う仕組み上、指示の意図とAIの解釈が完全に一致しないケースも起こり得ます。
業務でグラフを利用する前には、以下のような観点で必ず確認するようにしましょう。
- 合計値や平均値など、グラフの基礎となる数値が元データと一致しているか
- グラフの種類(棒グラフ・折れ線グラフなど)が伝えたい内容に合っているか
- 軸のスケールや単位が誤って設定されていないか
- 一部のデータが除外・重複していないか
社外に提出する資料や経営判断に使う資料では、AIが出力したグラフをそのまま採用するのではなく、必ず人の目でひと手間チェックする工程を業務フローに組み込むことが重要です。AIはあくまで作成作業を効率化する補助であり、最終的な数値の正しさを担保するのは利用者側の責任だという意識を持っておく必要があります。
既存のExcel・CSVデータとの連携性を確認する
業務でAIグラフ作成を使う場合、多くの担当者はすでにExcelやCSV形式で日常的にデータを管理しています。そのため、既存のデータ資産をそのままAIに読み込ませられるかどうかは、導入のしやすさを左右する重要なポイントです。
確認しておきたい観点としては、次のようなものが挙げられます。
- 普段使っているExcelファイルやCSVファイルをそのままアップロードできるか
- 社内の基幹システムやクラウドストレージと連携できる仕組みがあるか
- 出力されたグラフを既存のレポートやプレゼン資料の形式に組み込みやすいか
チャット型AIとBI・分析特化型ツールでは、この連携性の作り込み方が異なる傾向があります。どちらが自社に適しているかは、日常的に扱うデータの量や更新頻度、レポート作成の頻度に応じて判断するとよいでしょう。既存の業務フローに無理なく組み込めるかどうかは、単発でグラフを1枚作る場面以上に、継続的に業務でAIグラフ作成を使い続けられるかを左右する重要な視点です。
AIグラフ作成に関するよくある質問
記事の中で触れきれなかった細かい疑問について、Q&A形式でまとめます。
Q. 無料版でもグラフ作成はできますか?
多くのAIチャットツールには無料で利用できる範囲が用意されており、簡単な棒グラフや円グラフといった基本的なグラフであれば、無料版でも作成できる場合があります。ただし、データ量が多い場合や複雑な加工を伴う場合に機能制限がかかることもあるため、業務で本格的に使う際は、各ツールの利用条件を都度確認することをおすすめします。
Q. 複雑なデータでもグラフにできますか?
複数の項目が絡み合うデータや、集計・分類が必要なデータであっても、AIに指示を出すことで整理しながらグラフ化できる場合があります。とはいえ、データの構造が複雑になるほどAIが意図を誤解するリスクも高まります。前述したプロンプトのコツを踏まえつつ、いきなり複雑な指示を出すのではなく、まずは単純な形でグラフを作成し、そこから条件を追加していく進め方が失敗を減らすポイントです。
Q. 作成したグラフはどんなファイル形式で受け取れますか?
ツールによって対応する出力形式は異なり、画像として保存できるもの、PowerPointやExcelにそのまま貼り付けられる形式で出力できるものなど、さまざまなパターンがあります。資料への貼り込みやプレゼンでの利用を想定している場合は、事前に「どの形式で欲しいか」を指示に含めておくと、手戻りを防ぎやすくなります。
Q. AIが作ったグラフは、そのまま社外に提出しても良いですか?
デザインや見た目の完成度が高くても、数値やデータの解釈に誤りが含まれている可能性はゼロではありません。前述したファクトチェックの手順を踏んだ上で、必要に応じて社内の確認プロセスを通してから提出することをおすすめします。
まとめ
AIグラフ作成は、データと自然言語の指示を伝えるだけで、グラフの種類選定やデザイン調整をAIが代行してくれる手法です。ChatGPT・Gemini・Copilotはいずれも似た流れでグラフを作成でき、目的に応じてデザイン重視型やBI・分析特化型、無料の特化型ツールを使い分けることも可能です。意図通りのグラフを得るには、目的とグラフの種類を先に伝え、軸や色などを具体的に指定し、修正は差分で伝えることがポイントになります。また業務で使う際は、機密情報の取り扱いルールを整え、生成されたグラフのファクトチェックを行い、既存のExcel・CSVデータとの連携性を確認することが欠かせません。まずは手元のデータを使い、普段利用しているツールで1枚グラフを作成してみることから始めてみてください。
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