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AI Builderとは?機能・料金・始め方を徹底解説
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株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

Power Apps や Power Automate を使いこなす中で、「AI Builder」という言葉を目にしたものの、具体的に何ができて、どんなライセンスが必要なのか分からず立ち止まっていないでしょうか。AI Builderは、コーディング不要で請求書処理や感情分析、予測といったAIの力を業務に組み込めるPower Platformの機能です。本記事では、基本概念からモデルタイプの分類、始め方の手順、クレジット制度の仕組みと2026年11月の変更点、業務別の活用シナリオ、導入前の注意点までを整理してお伝えします。読み終える頃には、自社のどの業務にAI Builderが使えそうか、そして最初の一歩として何を確認すべきかが見えてくるはずです。
AI Builderとは?Power Platformにおける位置づけ
AI Builderの基本概念とビジネスへのインテリジェンス追加
AI Builderは、Microsoft Power Platformに含まれる機能のひとつで、ビジネスプロセスを最適化するAIモデルを作成・利用できるサービスです。特定の業務ニーズに合わせて調整する「カスタムモデル」と、多くの業務シナリオにそのまま適用できる「事前構築済みモデル」の2種類から選べる点が大きな特徴です。
「AIを業務に導入する」と聞くと、専門のデータサイエンティストやエンジニアが必要というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかしAI Builderは、コーディングのスキルがなくても、業務データにAIによるインサイトを組み込めるように設計されています。導入の流れは、大きく次の5ステップで進みます。
- モデルの種類を選択する
- データを接続する
- AIモデルをカスタマイズする
- トレーニングを行う
- インサイトを業務に活用する
このステップを踏むことで、たとえば「サプライヤーのコンプライアンス違反を予測するアプリ」を、専門的な開発スキルなしに作成することも可能になります。
なお、AI Builderの一部機能はGA(一般提供)前のプレビュー状態で提供されているものがあります。プレビュー機能は運用環境での利用を前提としておらず、機能が制限されている場合がある点には注意が必要です。管理者はPower Platform管理センターから、環境ごとにプレビュー機能の利用可否を制御できます。導入を検討する際は、使いたいモデルがGA済みかプレビューかを事前に確認しておくと安心です。
Power Apps・Power Automateとの連携イメージ
AI Builderは単体の製品として存在するのではなく、Power Apps・Power Automateという既存のローコード/ノーコードツールに組み込まれる形で機能します。つまり、すでにPower AppsでアプリをつくっていたりPower Automateでフローを組んでいたりする方であれば、その延長線上でAIの力を借りられるというイメージです。
具体的には、Power Automateのクラウドフローにドキュメント処理のステップを追加して、受け取った請求書や領収書の内容を自動で読み取らせる、といった使い方ができます。また、Power AppsのアプリにAI Builderのモデルを組み込むことで、画面上での入力や判定にAIの予測結果を反映させることも可能です。
このように、AI BuilderはPower Apps・Power Automateという「業務を組み立てる土台」に、「データから意味を読み取る力」を追加する役割を担っています。どのようなモデルが用意されているか、具体的な種類については次章で詳しく整理していきます。
AI Builderでできること:モデルタイプの全体像
AI Builderのモデルは、「Documents(ドキュメント)」「テキスト」「構造化データ」「Images(画像)」という4つのデータ型と、「事前構築済み」「カスタム」というビルドタイプを組み合わせて整理されています(Microsoft Learn「AIモデルとビジネスシナリオ」)。まずはどの分類にどんなモデルが属しているのかを把握しておくと、自社の業務にどれが当てはまるかを判断しやすくなります。
一般的な業務データを独自に学習させたい場合はカスタムモデル、業種を問わず共通する定型的なシナリオには事前構築済みモデルが向いているとされています。以下、3つの分類ごとに代表的なモデルを見ていきましょう。
事前構築済みモデル(請求書・名刺・感情分析など)
事前構築済みモデルは、あらかじめ学習済みのAIモデルをそのまま利用できるのが特徴です。トレーニングデータを用意する手間がなく、すぐに使い始められる点が強みです。
Documents分野の事前構築済みモデルには、以下のようなものがあります。
- 名刺リーダー
- テキスト認識
- 領収書の処理
- 請求書処理
- IDリーダー
- コントラクト処理
テキスト分野では、次のモデルが事前構築済みとして用意されています。
- テキスト生成(プレビュー、GptPowerPrompt)
- キーフレーズ抽出
- 言語検出
- 感情分析
- テキスト翻訳
なお、カテゴリ分類とエンティティの抽出については、事前構築済みとカスタムの両方のタイプが用意されており、既存モデルで十分な場合はそのまま、独自の分類が必要な場合はカスタム化するという選択ができます。また、Images分野の「画像の説明」(ImageDescription)も事前構築済み(プレビュー)モデルの一つです。
カスタムモデル(ドキュメント処理・物体検出・予測)
カスタムモデルは、自社の業務データを使ってAIをトレーニングし、独自のニーズに合わせて作り込むタイプです。事前構築済みモデルでは対応できない、社内固有のフォーマットや判断基準を扱いたい場合に選択します。
代表的なカスタムモデルは次の通りです。
- ドキュメント処理(DocumentScanning):独自フォーマットの文書からの情報抽出
- 物体検出(ObjectDetection):画像内の特定物体の検出・数量把握
- 予測(BinaryPrediction/GenericPrediction):構造化データに基づく二値・連続値の予測
構造化データを扱う「予測」モデルは、いずれもカスタムモデルとして分類されており、既存の業務データを学習させることで、独自の予測ロジックを構築できます。同様に、画像分野の物体検出も、対象物を自社で定義してトレーニングするカスタムモデルです。
生成AIプロンプト(プロンプトビルダー)
3つ目の分類が、生成AIを活用する「プロンプトビルダー」です。テキスト分野の事前構築済みモデルとして紹介した「テキスト生成(GptPowerPrompt)」がこれに該当し、現時点ではプレビュー機能として位置づけられています。
プロンプトビルダーは、生成AIに対して指示(プロンプト)を組み立てることで、要約・分類・文章生成といったタスクをPower AppsやPower Automateの中に組み込める仕組みです。事前構築済みモデルやカスタムモデルのように特定の業務シナリオに特化した固定機能ではなく、プロンプトの設計次第で幅広い用途に応用できる柔軟性が特徴です。
プレビュー機能である以上、運用環境での本番利用には機能制限が伴う可能性がある点は留意しておく必要があります。管理者はPower Platform管理センターから、環境ごとにプレビュー機能の利用可否をコントロールできます。
このように、AI Builderのモデルは「すぐ使える事前構築済み」「自社データで育てるカスタム」「生成AIで柔軟に対応するプロンプトビルダー」という3層構造で整理されています。次の章では、実際にこれらのモデルを使い始めるための具体的な手順を見ていきます。
AI Builderの始め方:ライセンス確認からモデル作成まで
AI Builderの全体像とモデルタイプが分かったら、次に気になるのは「実際にどう触り始めるのか」です。ここでは、事前準備からモデル作成までの流れを、公式の操作フローに沿って整理します。料金やクレジットの仕組みについては次章で詳しく扱いますので、ここでは操作の流れに絞って見ていきます。
事前準備:ライセンスと権限の確認
AI Builderを使い始める前に確認しておきたいのが、自社の環境でどのライセンスが利用できるかという点です。AI BuilderはPower Apps・Power Automateの機能として組み込まれており、多くの場合、これらのライセンスに含まれるクレジットや、AI Builder容量アドオンから提供されるクレジットを消費して動作します。
ライセンスの種類によって使えるクレジット数や利用条件が異なるため、実際に手を動かす前に、自社がどのライセンスを保有しているかを管理者に確認しておくと後々のトラブルを避けられます。特に、Power Appsでモデルを利用するとアプリがプレミアムアプリとして扱われる場合がある点は、事前に把握しておく価値があります(この点の詳細は後章で解説します)。
なお、AI Builderの一部機能はまだプレビュー状態のものがあり、プレビュー機能は運用環境向けではなく、機能が制限されている可能性があります。管理者はPower Platform管理センターで、環境ごとにプレビュー機能の利用可否を制御できるため、本番運用を前提に検証を進める場合は、この設定も合わせて確認しておくとよいでしょう。
AIハブへのアクセスとモデルタイプの選択
準備が整ったら、実際の操作に入ります。手順はシンプルで、次のステップで進みます。
- Power AppsまたはPower Automateにサインインします。
- 左側のナビゲーションペインから「その他」を選択します。
- 表示されたメニューから「AIハブ」を選択します。
- 「AIモデル」の一覧から、実行したい内容に合致するモデルタイプを選びます。
モデルタイプの選び方は、前章で紹介した「事前構築済み」「カスタム」「生成AIプロンプト」の分類と、扱いたいデータの種類(ドキュメント・テキスト・構造化データ・画像)を組み合わせて考えると迷いにくくなります。例えば、請求書処理や名刺リーダーのように業種を問わず使える業務であれば事前構築済みモデルを、自社独自のデータ形式に合わせたい場合はカスタムモデルを選ぶ、という判断がしやすくなります。
モデルの作成・トレーニング・公開の流れ
モデルタイプを選んだあとの大まかな流れは、AI Builderの概要でも示されている次の5ステップに沿って進みます。
- モデルの種類を選択する:業務に合致するモデルタイプ(事前構築済み/カスタム/生成AIプロンプト)を決めます。
- データを接続する:処理対象となるドキュメントやテキスト、画像などのデータソースを接続します。
- AIモデルをカスタマイズする:カスタムモデルの場合は、業務の実情に合わせて項目やラベルなどを調整します。
- トレーニングする:接続したデータを使ってモデルを学習させます。
- インサイトを活用する:完成したモデルをPower AppsのアプリやPower Automateのフローに組み込み、業務で実際に使えるようにします。
このプロセスは、コーディングのスキルがなくても進められる点が大きな特徴です。実際に、ドキュメント処理を自動化するクラウドフローや、サプライヤーのコンプライアンス違反を予測するアプリなども、この流れに沿って作成できます。
なお、モデル作成の途中で行う「プレビュー」でのシナリオ確認や、プロンプトビルダーでのテスト、モデルのトレーニングそのものはクレジットを消費しない操作として扱われています。まずはこうした無料の範囲で試してみて、業務にどのモデルが合うかを見極めてから本格的な運用に進む、という進め方が現実的です。クレジットの詳しい仕組みについては、次章で数値とともに解説します。
AI Builderの料金体系とクレジットの仕組み
AI Builderの利用には「クレジット」という独自の消費単位が使われています。AI Builderのモデルをどのライセンスでどれだけ使えるのか、そしてまもなく訪れる制度変更のポイントを整理します。
AI Builderクレジットとは
AI Builderクレジットは、Power AutomateとPower AppsでAI Builder機能を実行する際に消費される単位です。クレジットは一部のユーザーライセンスに付属している場合もありますが、多くの場合はAI Builder容量アドオンから取得する仕組みになっています(Microsoft Learn「ライセンスとAI Builder クレジット」)。
つまり、AI Builderを使い始める際には「どのライセンスにどれだけのクレジットが含まれているか」「不足した場合にどう補うか」を事前に把握しておくことが重要です。
ライセンス別に付与されるクレジット数
ライセンスごとに付与されるクレジット数は、Microsoft Learnの情報をもとにすると以下のようになっています。
- AI Builderアドオン(T1/T2/T3):1,000,000クレジット
- Power Apps Premium:500クレジット
- アプリごとのPower Apps:250クレジット
- Power Automate Premium:5,000クレジット
- Power Automateプロセス:5,000クレジット
- Power Automateホスト型RPAアドオン:5,000クレジット
- 無人RPAアドオン:5,000クレジット
- Dynamics 365 F&O:20,000クレジット(テナントあたり上限あり)
なお、2022年11月より前に購入したアプリごとのPower Appsライセンスには、AI Builderクレジットが含まれていない点に注意が必要です(Microsoft Learn「ライセンスとAI Builder クレジット」)。既存のライセンス構成を見直す際は、購入時期によって扱いが異なる可能性があることを念頭に置いておきましょう。
クレジット消費が発生しないケースと超過時の挙動
コスト管理の観点で見落とされがちですが、AI Builderにはクレジットが消費されない無料のアクションが用意されています。具体的には、次のようなケースです。
- AIモデルのプレビューシナリオ(プロンプトを除く)
- プロンプトビルダーでのプロンプトのテスト
- AIモデルページでのモデルのトレーニング
- 事前構築済み・カスタムモデルのテスト
モデルを本番運用する前の検証段階であれば、クレジットを気にせず試行を重ねられるということです。
一方で、環境の使用量が利用可能なクレジットを超えると「超過状態」になります。このとき、システムはまずCopilotクレジットの使用を試みますが、利用可能なCopilotクレジットがない場合はフローとアプリでのモデル実行がブロックされます。実行時には「EntitlementNotAvailable」や「QuotaExceeded」といったエラーコードで失敗するため、業務フローに組み込む前にクレジット残量を確認しておく運用が欠かせません(Microsoft Learn「ライセンスとAI Builder クレジット」)。
2026年11月1日の制度変更に関する注意点
AI Builderのクレジット制度は、2026年9月5日現在まもなく大きな変更を迎える予定です。上記のライセンスに付属していた「シード処理されたAI Builderクレジット」は、2026年11月1日に削除されます。これ以降は、AI Builderアドオンクレジットのみが有効なまま残る形になります。
さらに、新規顧客はAI Builder容量アドオンを新たに購入できなくなり、代わりにCopilotクレジットを購入する必要があります(Microsoft Learn「ライセンスとAI Builder クレジット」)。
すでにAI BuilderをPower AppsやPower Automateに組み込んでいる企業は、この変更によってクレジット残量が急に減少し、業務フローが停止するリスクがあります。制度変更が適用される前に、現在の消費状況とライセンス構成を棚卸ししておくことをおすすめします。
業務別の活用シナリオ:請求書処理・感情分析・予測ほか
AI Builderの魅力は、モデルタイプの分類を理解するだけでなく「自社のどの業務にどのモデルが当てはまるか」を具体的にイメージできることにあります。ここでは、Microsoft公式が示す代表的なビジネスシナリオを、実務に近い切り口で整理します。
経理・総務系:請求書処理と名刺リーダー
経理・総務部門でまず検討したいのが、書類処理の自動化です。
- 経費精算書の自動化には、事前構築済みの領収書処理モデルが推奨されています。従業員が撮影・アップロードした領収書から金額や日付などの情報を自動で読み取り、経費精算のワークフローに連携できます。
- 取引先担当者リストの自動化には、名刺リーダーモデルが対応します。名刺の画像から氏名・会社名・連絡先を抽出し、CRMや台帳への登録作業を省力化できます。
これらはいずれもDocuments分野の事前構築済みモデルであり、業種を問わず使える汎用性が特長です。請求書処理そのものも同じ分野の事前構築済みモデルとして用意されているため、経理業務全体の書類処理を一貫した仕組みでカバーしやすい点もポイントです。
顧客対応系:感情分析とテキスト翻訳
カスタマーサポートや営業部門では、テキストデータを扱うモデルが活躍します。
- 顧客のフィードバックの特定・分類には、感情分析モデルが推奨されています。アンケートやレビュー、問い合わせ内容からポジティブ・ネガティブといった感情の傾向を自動判定し、対応の優先順位付けに役立てられます。
- サポートリクエストの翻訳には、テキストの翻訳モデルが対応します。多言語で届く問い合わせ内容を自動翻訳し、対応言語を問わずサポート体制を維持する用途に向いています。
感情分析・テキスト翻訳はいずれもテキスト分野の事前構築済みモデルであり、Power Automateのクラウドフローに組み込むことで、問い合わせ受付から一次対応までの流れを自動化しやすくなります。加えて、キーフレーズ抽出や言語検出といったモデルも同分野に用意されているため、テキストデータの前処理と組み合わせた活用も検討の余地があります。
需要予測・不正検知などの予測モデル活用
構造化データを扱う業務では、予測モデルの活用シナリオが示されています。
- 不正取引の特定には、予測モデルが推奨されています。過去の取引データをもとにパターンを学習させ、異常な取引を検知する仕組みに応用できます。
- 併せて、棚卸の自動化には物体検出モデルが対応します。カメラで撮影した画像から在庫の種類や数量を認識し、目視での棚卸作業を減らす用途に用いられます。
予測モデルと物体検出モデルはいずれもカスタムモデルに分類されるため、事前構築済みモデルと異なり、自社データを使ったトレーニングが前提になります。導入前には、どの程度のデータを用意できるかを併せて確認しておくと、選定がスムーズになります。
導入前に押さえておきたい注意点
AI Builderは業務の自動化やインサイト獲得に役立つ一方、ライセンス面での制約を理解しないまま導入を進めると、想定外のコストやアクセス制限に直面することがあります。ここでは、導入判断の前に必ず確認しておきたい2つのポイントを整理します。
Power Appsのプレミアム化とフローへの影響
AI BuilderはPower Apps内ではプレミアム機能という位置づけです。そのため、アプリにAI Builderのアクションを一つでも追加すると、そのアプリ自体が自動的にプレミアムアプリへと変換されます。これは、これまで無料または標準ライセンスの範囲で運用していたアプリであっても、AI Builderを組み込んだ瞬間にプレミアムライセンスが必要になることを意味します。
また、フローの中にAI Builderアクションを含むアプリを組み込んだ場合も、同様にそのアプリはプレミアム化の対象となります。この点は見落とされやすいため、既存アプリへの機能追加を検討する際は「誰が・どのライセンスで・そのアプリを使うのか」を事前に洗い出しておくことが重要です。
一方でPower Automateの場合は事情が異なり、フローにAI Builderアクションを追加しても、そのフロー自体がプレミアムフローに変換されることはありません。同じAI Builder機能を使う場合でも、Power AppsとPower Automateとでライセンスへの影響の出方が違うという点は、導入コストを見積もるうえで押さえておくべきポイントです。
管理者による環境単位のクレジット割り当て管理
AI Builderのクレジットは、組織内で一元管理される仕組みになっています。管理者はPower Platform管理センターの「ライセンス」タブから、特定の環境に対してクレジットを割り当てる(allocateする)ことができます。
既定の状態では、まだどの環境にも割り当てられていない未割り当てクレジットは、テナント上のすべての環境から利用できる共有プールとして扱われます。つまり、特に設定を行わない限り、部門やチームを問わずクレジットが消費されていく可能性があるということです。
利用部門ごとにクレジット消費量を管理したい場合や、特定の環境でのAI Builder利用を制限したい場合は、テナント設定で未割り当てクレジットのユーザー利用をブロックし、環境ごとに個別割り当てを行う運用が有効です。特に複数部門でPower Platformを利用している組織では、導入前にこの割り当てルールを検討しておくことで、意図しないクレジット消費や部門間のコスト按分トラブルを防ぎやすくなります。
まとめ
AI Builderは、Power Apps・Power Automateに組み込まれた形で提供される、ノーコードでAIを活用できる仕組みです。モデルは「事前構築済み」「カスタム」「生成AIプロンプト」の3種類に整理でき、請求書処理や名刺リーダー、感情分析、予測など、業務に応じた選択が可能です。導入にあたっては、AIハブから手順を進める前に、自社のライセンスとクレジットの内訳を確認しておくことが欠かせません。特に2026年11月1日にはシード付与クレジットが廃止され、AI Builderアドオンのみが残る制度変更が控えているため、既存導入企業は早めの棚卸しが必要です。また、Power Appsでのプレミアム化や環境単位のクレジット割り当てといったライセンス面の落とし穴も事前に把握しておきましょう。まずは管理者にライセンス状況を確認し、AIハブにアクセスして無料範囲で試せるプレビューやテストから触れてみることをおすすめします。


